『New York 結婚狂騒曲』素敵なおじさま リード・ダイアモンド

2014年05月13日

『オーバードライヴ』


snitch.jpg運送会社を営むジョン(ドウェイン・ジョンソン)は、離れて暮らす息子ジェイソン(ラフィ・ガヴロン)が麻薬密売の容疑で逮捕されたとの知らせを受ける。親友にハメられ逮捕されてしまったジェイソン。売人を密告すれば刑が軽くなることから、ジョンは息子に代わって売人の逮捕に協力することになる。

無実の息子を救うために命を懸けて麻薬密売組織に挑む父親の姿を描いた作品。その他の出演はバリー・ペッパージョン・バーンサルマイケル・ケネス・ウィリアムズメリーナ・カナカレデスベンジャミン・ブラットスーザン・サランドンら。

実話から生まれた物語なんだそうですが、なんとも理不尽で憤りを覚えます。先に捕まった親友が自分の罪を軽くしたいがためにジェイソンを陥れるわけですが、ほんとにでっち上げ以外の何ものでもないわけで・・。




“取引” は売人を芋づる式に逮捕できるというメリットもあるけど、一方でこういった冤罪を生む危険性もあり、疑問を感じずにはいられませんよね。無実の人間を救うためにここまでしなくちゃならないなんて、酷すぎます。

自分の会社の従業員で麻薬密売の前科を持つダニエル(ジョン・バーンサル)を通じて組織とつながるジョン。今は新しい家族と幸せな家庭を築いているジョンですが、愛する息子のためならどんな危険も覚悟の上。また今や更生し、家族のために真面目に働いているダニエルも難しい立場に立たされることになります。しかし家族のために決着をつけたい思いは同じ。彼らの人生をかけた戦いは果たして・・。

連邦検事(スーザン・サランドン)や捜査官(バリー・ペッパー)の協力があるとはいえ、ジョンがたったひとりで組織に潜入するところはスリル満点。しっかりとしたストーリーに引き込まれますし、一筋縄では行かない感じもGood。キャラクターもみなそれぞれに存在感抜群で、実に見ごたえのある作品でした。そして我々観ている側にさらに疑問を投げかけるラストが印象的です。

キャストは実力派揃い。主役を食う勢いのジョン・バーンサルはもちろんのこと、組織のボスを貫禄たっぷりに演じているベンジャミン・ブラットもかなりCOOL。でもやはり注目すべきは息子ジェイソン役のラフィ・ガヴロン。人生が一転してしまった恐怖を繊細に演じる彼に目を奪われました。『インクハート/魔法の声』のファリッド役や、『ROME[ローマ]』でのあの役なども非常に印象的でしたし、多才な俳優だなと思います。ラフィ・ガヴロンは今後注目すべき若手俳優のひとりではないでしょうか。

(原題 『Snitch』 2013年)




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『New York 結婚狂騒曲』素敵なおじさま リード・ダイアモンド

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