2015年03月20日
『ランニング・マン』

日本未公開のスリラー。本編は73分と短めですが、面白いのは主人公ポールがただ逃げ惑う映画ではないということ。並行して描かれる彼を襲ったそれまでの一連の出来事が、我々の想像力をかきたてます。“狂気”を描いた作品としては、なかなかの秀作ではないでしょうか。
人間関係に少なからず不満を持つポール。やがて彼は妻(キャメロン・リチャードソン)が自分の同僚であるマルコム(ジェイソン・ワイルズ)と浮気をしているのではないかと疑い始めます。
この同僚のマルコムという男、ポールは親しくしていましたが実はポール以外の人々はみな距離を置く存在。彼と親しくすることを忠告する人もいました。そしてポールの妻に何やらコソコソ・・。そりゃ誰だって疑いますよね。いずれにせよ、彼がポールを悩ます存在になっていったことは確かです。ポールを追う男の正体は?そして彼が追われる理由とは?
本編が73分でも満足度は高いです。編集もいいですし、視点の切りかえが見事だなと感じました。また正気を失った人間の世界観に妙な生々しさを感じると同時に、なんとも哀れなお話だなとも思いました。思い込みってほんと怖いですね。
そして同じ人とは思えない、さまざまな顔や表情を見せてくれる主人公ポールの不思議な魅力。なかでも印象的なのはラストシーン。暗闇に浮かぶ、どこか突き抜けた感のあるポールの表情には一段とそそられました。「ポールってこんなにカッコよかったっけ?」、見た人はみんなそう思うはず。しかしそういった思いがまた私の心を複雑にさせるのでした。
(原題 『The Jogger』 2013年)
本編が73分でも満足度は高いです。編集もいいですし、視点の切りかえが見事だなと感じました。また正気を失った人間の世界観に妙な生々しさを感じると同時に、なんとも哀れなお話だなとも思いました。思い込みってほんと怖いですね。
そして同じ人とは思えない、さまざまな顔や表情を見せてくれる主人公ポールの不思議な魅力。なかでも印象的なのはラストシーン。暗闇に浮かぶ、どこか突き抜けた感のあるポールの表情には一段とそそられました。「ポールってこんなにカッコよかったっけ?」、見た人はみんなそう思うはず。しかしそういった思いがまた私の心を複雑にさせるのでした。
(原題 『The Jogger』 2013年)
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