シネマな生活

印象に残ったエピソードとしてまず第2話。想いを寄せるアマンダ（モーヴェン・クリスティ）が父親の決めた相手と結婚することになり、ショックを受けるシドニー。そんな彼はアマンダの婚約を祝うディナーに出席することになるのですが、シドニーがもういろいろかわいそうで・・。それとこのエピソードでは友人のひとりが殺害されるのと、婚約指輪がなくなるという2つの事件を扱う展開がなかなか面白かったです。

第4話は近所で火災が発生しシドニーは燃える家から女性を救出するのですが、その後女性の夫が殺害されてしまうというお話。調べを進めるとその夫には秘密があったようで・・。夫を殺した犯人はすぐわかっちゃいましたが、印象に残ったのは刑事のジョーディ（ロブソン・グリーン）のエピソードもあったから。

ジョーディには4人の子どもがいますが、まだ赤ん坊の4人目の子が病気で生死の境をさまようことになります。ようやくできた男の子を失うことに耐えられないジョーディは家を空けてしまうんですね。それにまわりにつらく当たることもあったけど、だからこそ素直に謝るジョーディの姿に心打たれました。彼の人間的な部分を見ることができるエピソードです。

第6話（最終話）。警官が射殺された事件を捜査中に、ジョーディが何者かに撃たれ瀕死の重傷を負います。シドニーはひとりで事件を調べることになりますが、ジョーディの負傷や結婚式が近づいてきたアマンダのことなどで彼の心はいっぱいいっぱいに。この最終話はシドニーのパーソナリティーや彼の心の内を描いたエピソードとしての印象が強く、良い出来です。驚いたのはシドニーの回想シーンに隠されたある出来事。彼は人の死に直面するたび戦争で仲間を失ったときのことを思い出すのですが、あんなことがあったとはねぇ。それを告白するときのシドニーの表情にグッときました。アマンダのことに関してはみっともない姿を見せられたけど、やっぱりシドニーは魅力的。

ところでシドニーの心をもてあそぶ？アマンダ。私は彼女のことをどうしても好きになれません。このモーヴェン・クリスティという女優さんは、アマンダ役をやるにはいろいろ無理がありすぎるんですよね。好みの問題なんだろうけど・・・。最終話ではシドニーより彼女の方が何倍も大人だなと感じてちょっと見直したところもありますが、それでもシリーズ2では出番がないことを願っています。

一方で、傷心のシドニーの新たなロマンスのお相手となるドイツ人の未亡人ヒルデガード（フェリーネ・ロッガン）はとても素敵です。第1話で登場する彼女は一旦ドイツに帰るのですが、再びシドニーを訪ねてきます。とてもいい雰囲気なんですよ。でも彼女との関係はあれで終わっちゃうのかな。シドニーはなぜ言わなくていい事をわざわざ言うのかね・・。シドニーのばか！

シドニーの助手、レナード・フィンチを演じるのはアル・ウィーヴァー。久しぶりにお目にかかれて嬉しいです。やっぱり彼はこういう後輩キャラが似合う！もういちいちかわいくて、ほんと癒されます♪ シドニーとお手伝いのマグワイアさん（テッサ・ピーク＝ジョーンズ）だけでも十分面白いんだけど、レナードが加わってから一段と面白くなりました。口うるさいマグワイアさんと彼らは、「二人の息子とオカン」って感じ♪

そしてジェームズ・ノートンくんは本当にカッコいいです。あれだけ背が高くて若くてカッコいい牧師さんがいたら、そりゃ女性陣は彼のこと放っておかないですよ（笑）ルックスだけでなくノートンくんの確かな演技力のおかげで、私はこのシドニーというキャラクターが大好きになりました。表情が豊かなのも魅力。また牧師の格好やスーツ姿、ジャケット姿、パジャマ姿、そして時には肉体美を披露するなどさまざまなシドニーを楽しめるのもこのドラマの魅力のひとつですが、私がダントツで好きなのは回想シーンの軍服姿のシドニー。大のお気に入りです☆

はじめは無愛想な印象だったジョーディにも後半では親しみを感じるようになりましたし、演じるロブソン・グリーンもオヤジ好き女子の心をくすぐる人って感じで素敵☆ このドラマ、もう男性陣だけでいいかも！？

『グランチェスター 牧師探偵シドニー・チェンバース』は、AXNミステリーにて10月放送予定です。

（原題 『Grantchester』 2014年）